シェヘラザードの本棚

物語同士のつながりが好き

~だから私は推しました第4回~この小さな太陽が消えないためなら私は…

<あらすじ>
サニサイがなんとアイサマことアイドルサマーフェスティバルにエントリする事になりました。
同時に新曲リリースも決定。
が、ただでは出れません。彼女達が参加するためには投票権を買い押し上げる事が必須。
そのやり方に疑問視する愛。
そんな中で倒れてしまうハナに対して愛が取った行動とは?


いやー、感想書くのホントきついですね。やってくれたな!森下佳子脚本って感じでした。
人間の「業」を書く脚本家だと思っているんですけど今回はそんな「業」が全面的に出てたなと思いました。


<それはまるで花火みたいな>
サニサイは人気・知名度がまったくないグループ。
フェス主催者側からすればそんな集客力がないグループを呼ぶからには
なにかしらの見返り、つまり投票権を使っての金が欲しいといったところでしょうか。
1位という称号はそれだけ隠れた人気があるという一応の看板にもなるわけですし。
で、これが一人一票制なら問題はない。
だけど何枚も買い占める事ができるのなら、それは果たして本当に人気投票といえるのか?
フェアだといえるのか?
という疑問が残ります。

 

愛さんもそこを指摘していました。
他のオタ仲間達もそこはおかしいとちゃんとわかってはいるんです。
彼らも、もやもやをかんじながらもそういうやり方で頂点を目指さざるを得ない現実を
飲み込みながらこのイベントに参加してます。
なぜならこの大きな舞台に立つことができたら、もっと多くの人の目にふれる事になり、彼女達の魅力に気付いてくれる人が出てくる確率が現状より跳ねあがるからです。
もしかしたら業界関係者の目に留まる可能性もあるかもしれない。

 

 

彼らのその飲み込めない物を飲み込まざるを得ない状況ってのは、ほんとつらい。
サニサイは確か結成2年目のアイドル。
短いようで長い期間。
運営やアイドル業界にしんどさを感じていても、サニサイ達を好きになりすぎるには十分な期間。
一寸先は闇な状況で、アイドル達は花火みたいにいつ消えていくか分からない。
彼女達のアイドル人生を延命させるためならと、身の丈以上に無理をする人々がいて…。
それが今回、愛という主人公に集約されていました。

<しんどさを見てしまい>
その愛さんなんですけど副業でアダルトサイトでチャットレディ?をやってお金を稼ぎだしたり、お金をハナちゃんに手渡ししていました。

「運営に渡さず直接「推し」にお金が渡るATMになりたい。」

な声をたまに聞くんですけどまじでリアルにそれを愛はやってしまいました。

 

なんでそんなことをやるかといえばハナちゃんが倒れた事がきっかけです。
瓜田という太客も消えてハナのキックバックも減ったので、無理にバイトを詰め込まなきゃやっていけない。
アイドルどころか彼女の生活の基盤すら危うい。

 

あくまで予想なんですけどもしかしたら愛は瓜田を追い出した事で生活が危ういハナちゃんに罪悪感を覚えてる部分もありえます。
自分が提案したことがきっかけで、彼女が追い詰めれているかもしれいと。

なにより愛はハナちゃんが「大切にされている環境」を望んでいました。
それが脅かされることを愛はけして許す事ができません。

なぜこのように身を削るような方法を彼女がとったかといえば、ハナちゃん自身の身を削るさまを見てしまったからだと思います。
愛さんはハナちゃんをもう一人の自分とみなしており、彼女達の心理的境界線はあいまい。
ハナちゃんがそうまでしてやるならば、自分だってやる。
その離れがたい呪いのような祝福のようなそれを愛と呼ぶのか共依存と呼ぶのか、私にはわかりませんが。

<ハナちゃんから愛へ>
最後にハナちゃんがプレゼントしたオタTに書いてあった言葉を書き出しときます。
自分的メモとして。
読めないとこもあったので、間違ってるとこやあいまいなとこがあります

 

愛さんへ
突然こんなTシャツを渡してしまい
ごめんなさい。愛さんと一緒にいる
時間は私には幸せすぎて・・。
ちなみに愛さん私のそんな気持ちに気づいてくれてましたか?
気づくわけないですよね(汗の絵文字)
でもでも愛さんが「ハナー!!」と
コールをくれるのをステージから
見ててちょっとはしゃいでしまったり
ほんとバカみたいですよね!!
でも、それくらい今は愛さんが心の支えになっています。
この文章を読んでくれたら分かると思うんですけど、
愛さんの事が大好きです。こんな私でよければ
今後とも宜しくお願いします

ハナ

 

ハナちゃんは枕元に愛と撮ったチェキと、おそらく彼女からの手紙を飾ってます。
ハナちゃんからみた愛とはどういう存在なのか、今後えがかれていくのでしょうか?