シェヘラザードの本棚

物語同士のつながりが好き

源氏物語に異世界トリップした俺は悪役女御の元で陰陽師になったんだが~十二単衣を着た悪魔~

59もの会社から内定が出ぬまま大学を卒業した二流男の伊藤雷。 それに比べ、弟は頭脳も容姿も超一流。ある日突然、『源氏物語』の世界にトリップしてしまった雷は、皇妃・弘徽殿女御と息子の一宮に出会う。 一宮の弟こそが、全てが超一流の光源氏。 雷は一宮…

逃げていい。嫌いでいい。許さなくていい。闘ってるから、闘わなくてもいい。~かがみの孤城~

あなたを、助けたい。 学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――なぜこの7人が…

性と彼女らと制服と~荒ぶる季節の乙女どもよ~

あなたの“はじめて”を、わたしにください──。和紗たちは文芸部に所属する女子5人。部が「死ぬ前にしたいこと」という話題で沸いたある日、部員の一人が投じた「セックス」の一言……。その瞬間から、彼女たちは“性”に振り回され始める。 (amazon 紹介文より)…

生徒会ものとお仕事ものの中間点に~ある日うっかりPTA~

基本的にPTAというのは学校ごとに――これを専門用語で単位PTAというのだけど――独立した組織だ(PTAの常識 その2)。戦国時代の日本は、各地に大名がいて、それぞれに違った組織や、家訓と呼ばれる法律を作って勝手に領地を運営していた。あれに近い…

不完全な世界の不完全な人々~愛すべき娘たち~

よしながふみさんの織り成す女性たちの5つの短編集。久々に読み直すと、やっぱり傑作。「きのう何食べた?」みたいな日常ものも、「大奥」のような歴史のifストーリーも、どちらも深い人間への理解と眼差しが感じられます。上手くいえないけどバランスがす…

虚構の存在が現実に伝えてくれること~きみはほんとうにステキだね~

最近というかほぼ週刊・直虎感想!になりつつあるこのブログです。その脚本家の森下佳子さんについて、最近私は以下のように書きました。 脚本家の森下佳子さんの作品に出てくる人物はキャラクター(虚構)的でありながらどこか生生しさがあって「生」を感じ…

伝奇小説の奥深さというか、すごい世界を見てしまった。~柳生陰陽剣~

慶長十一年、死の床にあった柳生石舟斎が言い遺した言葉。それは、枕頭に侍っていた新陰流の達人にして、陰陽道の術客でもある柳生友景に、朝鮮妖術師との新たな死闘を覚悟させた。古代よりの怨讐をこえて魔界の王を味方にし、魑魅魍魎をも従えた友景は、後…

エンタメが文学を繋ぐ。太宰治の『黄金風景』 ~花もて語れ5巻~

いまや漫画やアニメーションがいまや世界的広がりを見せています。それの面白さ一つは、題材のバラエティ豊かさなんですよね。恋愛やヒーローや歴史ものなどのメジャーなものから、人があまり知らない職業ものなどありとあらゆるジャンルを網羅しています。…

王冠を戴くアメリカンアイドル。その名はPresident of the United States of America~さらば白人国家アメリカ~

「二大政党の将来がどうなるかはわからない。ただ言えるのは、アメリカが白い肌に青い目で英語を話す人々の国だった時代は、確実に終わるということだ」――トランプ対ヒラリー、史上最悪の大統領選が暴いた大国の黄昏。在米の人気コラムニスト町山智浩氏が、…

親と目線が対等になる時の衝撃~強父論~

エッセイスト兼タレントで活躍なさっている阿川佐和子さんの父親との思い出をつづった本です。この阿川さんの父親は「山本五十六」などを書かれた小説家の阿川弘之さんですが、絵にかいたような昭和の暴君きわまった頑固おやじといいますか、現代だと速攻ア…