シェヘラザードの本棚

物語同士のつながりが好き

新年のごあいさつにはおくれたけど、いだてんの感想を少々と去年触れた物語の雑記

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少し遅くなりましたがあけましておめでとうございます!!
というかもう寒中見舞いの時期になってしまいました。
ほんとは紅白がどうのこーのといだてん楽しみだね!というような事を書こうと思っていたんですが
もう放映した後なので、軽くいだてんの感想を書こうかなと思います。

<それはまるで聖火の灯のように>
第一話はテンポがよくて、ワクワクしてすごく面白かったです。
なにより心を打たれるものがありました。
何に打たれたと言えば嘉納の見る夢にです。
スポーツの楽しさを通して生まれる国を超えていく楽しさ、相手へのリスペクト、

それが平和につながっていくという彼の夢。
その夢に美しさを感じ、限りなく共感します。
と同時にそれは国などの外部環境で大きく左右されて
しまうし、もろく持続するのが難しく現実が立ちはだかるもの。

この時代だから難しいというわけではなく、現在進行形でこの夢の難しさを抱えています。スポーツだけではなく。

そして嘉納の夢は永井の「国を背負ったり競う事で消費される競技者」といつも隣り合わせ。
でもだからこそ嘉納のスポーツ本来の持つ力に対する夢は守っていかねばならないし、
絶やしてはいけないものではないでしょうか。
それはまるで聖火の灯のようです。
嘉納の個人の見る小さく暖かな夢は、国や大きな物の前では吹き飛んでしまうかもしれない。
だけどその灯を消さぬようにきっと誰かが繋いでいく、バトンのように、聖火のように。
この大河はその「継承」を見せてくれるかもしれない、そう思いました。
次が楽しみです。

 

いだてん 前編 (NHK大河ドラマ・ガイド)

いだてん 前編 (NHK大河ドラマ・ガイド)

 

 <やっぱり「関係性」が好き!>
さて、次は去年の物語についてなど。
やはり「半分、青い。」が大きくしめてましたね。
楡野鈴愛の生き様に感情がジェットコースターだったのも、もちろんのこと
彼女のソウルメイトである萩尾律の存在が良かったです。
物語の感想についてはもう当ブログで書いたので省略しますが
彼女達の関係性は改めて面白かったと思います。
主役の相手役の人生の重みが対等に感じられるのが、改めて好きなんだとこの作品で感じる事ができました。
これは「おんな城主直虎」の直虎と政次からも思ったんですけど、
二人の関係性の終結がどこに向かうか(恋人or友情)よりも、彼らが彼らでありさえすれば私はなんでもいいんだなぁと
発見できました。
けどどっち?どっち、どっち?と関係性の行く末に振り回されれること自体は好きなんですよね~。

 

 他作品では書籍化した「チーズ・イン・ザ・トラップ」を読み直すと、
ヒロインである雪と相手役の青田先輩の関係も面白かったです。
男性が主役でミステリアスなヒロインに振り回されるも、惹かれていく。
だけど本心に近づけないというのは見るんですよね。
だけど男女が逆で、男性側の心が見えにくいというのが私の中では珍しく新鮮でした。
この作品では、青田先輩が何を考えているのかわからなかったですね。
というか今もつかみ切れてるとは言い難いです。
ヒロインも疑心暗鬼で積極的に関わらないようにしてて、
私自身もむしろこの人やばいんじゃ?人の心がないのでは?と思いつつ、
ミステリー小説のように楽しめました。
ほんとこれを読むと相手の本当の姿を見つけ、そして見つけ続けることの難しさを感じさせられました。

 

チーズ・イン・ザ・トラップ(1)

チーズ・イン・ザ・トラップ(1)

 

 最後に去年のベストオブ好きな関係性と物語のご紹介。
「9-1-1:LA救命最前線」
消防士・救命オペレーター・警察官達の緊急通報から始まる、一話完結型のレスキュードラマなんですけど
これがほんとうに面白い。
物語自体が軽すぎず、重すぎずの最高のエンターテイメントでめちゃくちゃお薦めです。
全部いいんですけど、オペレーターのアビーと消防士のバックの関係性がほんと好きで、好きで。
ふらふらしていた男性ががほんとうに好きな女性と出会うとどうなるか?という王道展開なんですけど
これがまた、出会いから関係の変遷がほんとうにいいんですよー。
そもそもアビーが冷静で土壇場の度胸もある聡明な女性という私のドストライクな人間ってのもあるんですが。

相手の深い所に踏み込む時の怖さや、相手の生き方が自分の生き方を顧みる感じとかが、
本当に人生をシェアしている感じが出ててほんとによいなーと思いました。
まだシーズン1なので二人が果たしてどうなるのか?というのはわからないのですがシーズン2が楽しみです。