シェヘラザードの本棚

物語同士のつながりが好き

遺志を継ぐ者の意思の感染~おんな城主直虎47回~

信康、瀬名を失った家康を支えていく万千代。この死を無駄にしないためには、彼らの遺志を宿し勝利をいつの日かおさめる事。家康の止まりかけそうだった時が万千代によって新たに動き始めました。一方、直虎の方も自分の命の使い道を「戦なき世」を目指すべ…

不器用な悪女の最期の一手~おんな城主直虎46回~

武田との内通の疑惑により、信長から信康の命を差し出すよう言われた家康。表立っては言う通りに動きますが、裏では城を転々と移動させることで時間稼ぎをます。そのあいだに北条と結ぶことで、それを手土産に助命を嘆願しよう画策する徳川勢。しかし瀬名が…

恩賞の行方の裏には罪と罰~おんな城主直虎45回~

前回、家康への暗殺者を捕えた万千代。この働きが認められ、家臣の一人として末席を与えられました。今回はこの万千代の「功」から始まっていく悲劇のプロローグを見てるようでつらかったです。当たり前の事ですが戦国において誰かが「恩賞」を勝ち取るとき…

井伊谷のばらを照らした太陽~おんな城主直虎44話~

初陣を飾る事となった万千代・万福コンビ。やっと戦に参戦でき、武功がたてられるかも!意気込む万千代ですが軍議にも参加させてもらえません。しかし家康を狙う間者を見事に捕え、一万石を与えられる事になります。が、色小姓としての手柄と周りに思われて…

今いる僕らは、名もなき民の轍の上に~おんな城主直虎43話~

武具の手入れを丹念に行った事が認められ、小姓にあがることができた万千代。今回、他の小姓達に冷たくされながらも奮闘する万千代を見る事ができました。一方、井伊谷では長篠に木材を届けた事がもたらしたある問題について書かれています。万千代の話も井…

弱点を鎧に、欠点を剣に、くじけぬ心を胸にせよ。~おんな城主直虎42話~

材木を届ける事で手柄を立て、初陣を飾ろうとした万千代。だけど直虎の策により留守居となってしまいまいた。この万千代が可愛くて可愛くてですね。ふてくされつつも頑張り、横取りされてしまい落ち込むも、それを家康が確かに見てくれていた事の喜びが思わ…

世界の片隅は、されど中心でもありて~おんな城主直虎41話~

先週、今週とバタバタした中で風邪をひいてしまい記事の更新が遅れました。ちょっとでも体調を崩すとこうやって遅れがでるというのに、長丁場である大河に携わる製作陣の皆様には頭が下がる思いです。なんにでもいえることですが、体力が一番大事なのだと身…

君の君のための、君のためだけではない命~おんな城主直虎40話~

いよいよ万千代の徳川奮闘記が始まりました。草履番からのスタートで順風満帆とはいきませんが、多くの人たちが彼に愛情をむけ、見守っている。それは万千代の実父の直親が井伊谷に帰ってきた時に、おじじ様を含め、多くの人たちが彼こそが希望なのだと眼差…

笑うコダヌキ、泣くコトラ~おんな城主直虎39話~

直親の13回忌がとりおこなわれるという事で、虎松が6年ぶりに井伊谷に帰ってきました。この虎松が物語の新たな風となり吹き込んできました。。風というには荒々しく、嵐のような男の子でしたが。基本的にはここからは彼の出世の物語が話の中でたちあがっ…

龍は天に、虎は地に~おんな城主直虎38回~

武田軍の侵攻に開戦しようとする近藤に対し、直虎は兵力となる百姓達を隠すことで戦を避けようとしました。兵糧となる食べ物さえもっていかれた信玄はもちろんおかんむり。そこで彼は井伊谷の里のすべてを焼き払ってしまいました。以前、直虎の事を 英雄でも…

逃げていい。嫌いでいい。許さなくていい。闘ってるから、闘わなくてもいい。~かがみの孤城~

あなたを、助けたい。 学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――なぜこの7人が…

二つの顔を行き来して~おんな城主直虎37話~

家康が氏真と和睦を結ぶことで、一時の平和を手にいれた井伊谷。井伊家の再興をあきらめる事で、新たな生活が各々始まりました。直虎は還俗し農婦となり、直之・高瀬は近藤に仕え、方久は薬の行商を始めて、祐椿尼は寺に身を寄せてます。それぞれが近藤の元…

井伊谷のいちばん長い日~おんな城主直虎36話~

twitterで足を負傷して、もう歩けなかったもしれなかった近藤さんが歩み始めた時、「クララみたいだね!」という感想を見かけましたが、この回はまさしくアルプスの少女のごとく第一回の「井伊谷の少女」の直虎の原点が、問われるようなお話でした。そして今…

神様、その嘘は愛ですか?~PK ピーケイ~

留学先で悲しい失恋を経験し、今は母国インドでテレビレポーターをするジャグーは、ある日地下鉄で黄色いヘルメットを被り、大きなラジカセを持ち、あらゆる宗教の飾りをつけてチラシを配る奇妙な男を見かける。チラシには「神さまが行方不明」の文字。ネタ…

瓦礫の下の消えない灯火~おんな城主直虎35話~

二回連続でハードな展開だったので、今回は寂しさと穏やかさと笑いと明日への希望がつまってました。ただし、このあとお怒りモードの武田が来るんですが。いやぁ、ほんとあのお方はいつ来るのでしょうか?さすがに次回はないとは思いますけど次々回あたり怪…

性と彼女らと制服と~荒ぶる季節の乙女どもよ~

あなたの“はじめて”を、わたしにください──。和紗たちは文芸部に所属する女子5人。部が「死ぬ前にしたいこと」という話題で沸いたある日、部員の一人が投じた「セックス」の一言……。その瞬間から、彼女たちは“性”に振り回され始める。 (amazon 紹介文より)…

そして虎は、荒野を駆ける~おんな城主直虎34話~

政次の死でショックを受けたので、次回からはしばらく明るい話でよろしくな!と、思ってたところで今回のお話。しかも武田はまだ来てないという。ちょっとこっちは精神的にぼろぼろで頭が正常に働いてない中、感想をまとめていきたいと思います。 <政次が死…

生徒会ものとお仕事ものの中間点に~ある日うっかりPTA~

基本的にPTAというのは学校ごとに――これを専門用語で単位PTAというのだけど――独立した組織だ(PTAの常識 その2)。戦国時代の日本は、各地に大名がいて、それぞれに違った組織や、家訓と呼ばれる法律を作って勝手に領地を運営していた。あれに近い…

なかない鶴は呪詛を吐きながら愛を鳴く~おんな城主直虎33話~

今回、言葉になりませんでした。言葉にできないほどの感情があふれてきて、ちゃんとブログに感想をおとしこめるか、自信がないまま書こうとしています。なにを書こうと、自分が受け止めた気持ち以上の事をちゃんと言語化できてはいないと思います。だけどこ…

因果は巡れど、愛する事をやめず人は歩む~おんな城主直虎32話~

駿河へは武田が、遠江へは武田が侵攻することによって今川家が窮地に立たされています。乱世の火花が散る中で、昨日の敵は今日の友の名の通り、誰が敵でも味方でもおかしくありません。一体、何が、どの道が正しい答えなのかわからない中で己で考え歩んでい…

医療ドラマから見えてくるもの~シカゴ・メッドとコード・ブラック~

医療ドラマの傑作といえばER緊急救命室が有名で、個人的にも大好きな作品でした。それと同じレベルで「好き」いえる作品にはもう出会えないかな?と思ってましたがここで紹介する「シカゴ・メッド」と「コード・ブラック」が面白い。この二作品を見る事で、…

未来という名の希望のため 今、生きている君を殺そう。~おんな城主直虎31話~

「徳政令」を受け入れる事で、国を潰して国を生かす決心していた直虎。そのプロットを実行しようとした時、思いもよらぬ役者たちがその舞台に躍り出ました。直虎が窮地に立たされていると知って、徳政令撤回の申し出でる瀬戸・祝田村の百姓達。この時点では…

天才(もしくは凡人)がもたらす栄光と影~ソーシャル・ネットワーク~

あのフェイスブックを作った奇才、マークの話。 が、このマークがかなりくせのあるキャラ。思考回路は超論理的だが感情面が幼児的。彼女とのデートシーンにこの二面性が顕著に顕れている。会話は完全にディベート。もちろんマークはふられ、おもしろいことに…

そうせざるをえない者達~おんな城主直虎30話~

とうとう武田との全面戦争が回避されなくなってきました。今川家はそのための準備にとりかかることに。直虎は徳川との密約を水面下で結びつつ、氏真に命じられるまま戦備えをします。その氏真に呼び出された方久は、気賀に蔵を建てる事と認める代わりに井伊…

届かなかった夢を持った者達に祝福を~少年ハリウッド~

このブログで少年ハリウッドについて触れるのも今回で三度目。アニメの放送が2015年で終わっていますが、最終回の完全版を作るプロジェクトが進行中だったりと、ファンも彼らも出会ったあの日から生き続けてます。そりゃあ、日々の生活で「少年ハリウッ…

子に武器を増やし、戦う姿を見せていく母~おんな城主直虎29話~

不穏なマクロの影がだんだんと井伊谷に忍び寄ってくる中、信玄公の「巨悪」っぷりに対抗するため、 直虎は家康に上杉との同盟を提案して、なんとか今川攻めを食い止めようと画策します。そのころ、寿桂尼が机上に伏しながら世を去りました。今川家はもちろん…

正義や権力を求めた男に最後に残ったものとは? ~J・エドガー~

アメリカの物語に触れていれていようが、いなかろうが誰もが聞いたことがあるFBI(連邦捜査局)。その初代長官にて、長い間その地位に50年近く君臨し続けた続けたJ・エドガー。彼の捜査網によって得られた情報は、大統領さえも脅かすもので、彼らさえも…

黄昏せまる宗主国。その主として。~おんな城主直虎28話~

前回までは基本的に井伊家の内政にじっくり取り組んできたお話に、フォーカスが置かれていました。これまでも極めてミクロなテーマの中から戦国というマクロがちらちら見えてましたが、今川家の目線を通すことで魑魅魍魎がうごめくマクロの厳しさを突きつけ…

不完全な世界の不完全な人々~愛すべき娘たち~

よしながふみさんの織り成す女性たちの5つの短編集。久々に読み直すと、やっぱり傑作。「きのう何食べた?」みたいな日常ものも、「大奥」のような歴史のifストーリーも、どちらも深い人間への理解と眼差しが感じられます。上手くいえないけどバランスがす…

父親たちの亡霊とどう向き合う?~おんな城主直虎27話~

方久から気賀の城主になってはどうかと提案された直虎。ちょうどいいタイミングで、中村屋が町衆を連れ、大沢ではなく直虎にその気賀を治めてほしいとの申し出がありました。できるものならやってみたい直虎のようですが、さすがに現実問題、超えていけない…